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涼宮ハルヒの覚書

涼宮ハルヒシリーズの小説・アニメ・その他関連することに関する覚書(メモ)です。

ハルヒ本レビュー 『SOS団東大支部活動報告その3.5』 #C88

※20150823 ドフシャンタさんの現状について修正しました。

コミケにて入手した戦利品のレビュー、第2弾はSOS団東大支部さんの「活動報告その3.5」です。

本書にも複数の記事が掲載されていますので、以下、各記事について感想を書いていきたいと思います。感想を読んでみて気になった方、読んでみたいと思った方は、ツイッター等で東大支部さんに連絡してみてください。もし余っていたら譲っていただけるかも?

また、活動報告その3までのバックナンバーは国立国会図書館に蔵書されているそうですので、そちらにあたっていただくのもいいかもしれません。

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東大支部さんのツイッターはこちら。

東大支部さんのサイトはこちら。微妙に東大支部用にアレンジされていますが、概ねおなじみのあのビジュアルです(行けば分かります)。

sosutbranch.web.fc2.com

 

なお、この本、縦書き、横書きのコンテンツが混在しており、コンテンツ毎にくるくる回しながら読む仕様になっています。やや読みにくいですが、地味に記事の中身と関係なくはないので、楽しみながら読みましょう。

 

一見して分かる通り、クッソおしゃれな表紙デザインです。元デザイナー・現アートディレクターの我が嫁も「紙質もいいし、製品レベル」とお墨付きでした。私もこの表紙があって「ああ、3日目もコミケ行かないとな」となったくらいのお気に入りです。みなさんジャケ買いですよジャケ買い(※価値観が古い)。

 

掲題の通りの議題について、SOS団員たちが語るゆるいタッチの漫画です。誰もが気になるところで様々な見解があるかと思いますが、私がその筋の方から聞いたところによりますと、伊藤Pと京(以下割愛)

 

  • 五月一六一七日第八八回五月祭コミアカ10参加」(はると さん)

本誌発行者・はるとさんによる活動報告書(編集長はあくまで涼宮ハルヒ)。

東大の学園祭である五月祭内には、コミックアカデミーという同人誌即売会があるそうで、そこで活動報告書と「長門の上履きTシャツ」(アニメ版「涼宮ハルヒの憂鬱IV」での長門と朝倉との戦闘シーンで大写しになる、長門の上履きをモチーフにしたTシャツ)を頒布しました、という内容の活動報告記事です。長門の上履きTシャツ、私もほしかったなあ。

 

  • 現代世界と長門にとっての出口(ドフシャンタ さん)

アメリカからの留学生で長門にド嵌りした著者による、長門及び消失の考察です。

詳細はぜひ皆様手に取って読んでいただきたく思いますが、私の感想としましては「長門にとっての消失世界」≒「ハルヒにとっての憂鬱終盤の閉鎖空間」≒「逃げ場所」であり≠「日常世界」と考えているので、考察の過程にやや違う見解をもっていますが、逃げ場所を求めた長門が十分人間らしさを持っている、という点で同意です。

また「学者=独りぼっちの不幸に耐えながら、科学的な情報を収集する知的生命体」(ミシェル・ウェルベック)=長門という解釈はステキですね。

著者の方は既にアメリカに帰国され、古典の研究などをされているということですが、今後も作品を通じて人間との親密さを求めていただけたらなあと思いました(その結果、私はこの著書を読めたわけだし)。
※東大支部さんより修正:現在ドフシャンタさんは日本にて、研究を続けられているとのことです。

服従

服従

 

上述の本、 今度邦訳されるのですね。

 

  • 「Aug. 2015」(はると さん)

ゆるい絵柄のSOS団4コマ漫画3篇。一応、東京大学が入試において後期試験を廃止し、その代りに推薦入試を始めることにしたという事柄をベースにしていますが、それを知らなくてもSOS団4コマとして成立していますので安心です。

キョンハルヒの進学先は作中で明言されていませんが「あのシーン、うちの大学のあそこかも?」と思っちゃうのはファンなら仕方ないですよね…(谷川流の母校である関西学院大学という説が主流だそうですね)

 

有希ちゃんの消失10話~13話の画面に映った各書籍で、タイトルが解読できたものを列挙していく記事で、かなりの力作です。よくこれだけの本を知っているなあ…流石東大生! 本の特定だけでなく「何故この本が登場したのか?」「他シリーズとの関連は?」というはるとさんの考察が面白いです。

アニメ「憂鬱」シリーズの方の特定作業もしようかな、ということですので、ぜひ!

dic.nicovideo.jp

長門有希の百冊」からも結構出ていたとのこと。気付かなかった…

 

  • 五月一七日第八八回五月祭SOS団東大支部バンド (はると さん)

SOS団東大支部が五月祭にバンドとして出たよ、という内容の活動報告です。

作品に優劣をつけるのはお行儀がよくないのかもしれませんが、正直なところこの記事が一番エキサイティングで面白かったです(※行儀が悪い)。

かなり昔の作品であるハルヒというテーマでライブを成功させた団員の皆さんは、きっとハルヒが「ライブアライブ」で感じた充実感を疑似体験したんだろうなあ、と思いました。

私もそのライブに参加して、長門の上履きTシャツ着てはしゃぎたかったなあ…と羨ましくなる内容です。来年はやるかどうか分からないそうですが、やることになったら即・事前告知をお願いします!

 

以下、当日演奏された曲目全5曲です。

 

イントロダクション:恋のミクル伝説

 

1:Super Driver

Super Driver

Super Driver

 

 

2:God Knows…

 

3:ありがとう、だいすき

ありがとう、だいすき(アニメ盤)

ありがとう、だいすき(アニメ盤)

 

 

4:パラレルDays

 

5:ハレ晴レユカイ

 

当時CD化されていなかった「ありがとう、だいすき」や、キャラソンのためどちらかというとマイナーな(でももちろんいい!)曲である「パラレルDays」を入れてくるなど、熱い選曲です。

その他、イベント開催レポートとしてディティールまで非常に読み応えがありますので、気になる方はぜひ活動報告を手に取ってみてください!

 

  • モノクロイラスト (べんじゃみんメメ さん)

26ページと35ページには、モノクロイラストが掲載されています。「SOS」と書いてある以外はほぼハルヒとは関係ないイラストですが、素朴かつ繊細なタッチで女の子がかわいくて、どちらのイラストも好みです!

 

  • ハルヒが永遠になったわけ」 (松本でこら さん)

ここから以降横書きの部になります。

演劇活動に注力し、東大を2留してしまった著者による、ハルヒシリーズの隆盛と停滞と、自身の境遇を絡めた自分語りです。

確かにゆっくり冷めていくかのように見えるハルヒシリーズですが、私は今後の展開も諦めていませんよ! ヤマトだってガンダムだってスレイヤーズだって、2015年現在もまだ新作が出てきているのだから、ハルヒシリーズだって、もうやめとけよとイヤになるくらい継続すると考える方が自然!

ゆっくる冷めてゆるやかに終わっていくというのはハルヒらしくないので、俺たちも輝いて生きようぜ!(太陽戦隊サンバルカン)

 

  • 「歩道橋からトラックの荷台に人が飛び降りた場合のトラック運転手の保護等について」 (ゆうき さん)

SOS団東大支部の活動報告は、この世の不思議を探求し報告するドキュメントなので、必ずしも作品としてのハルヒに関するコンテンツのみを掲載するとは限らないようです。この記事も、一見ハルヒと何の関係があるんだろう? と思いながら読みましたが、結局ハルヒは一切関係ないどころか、どちらかというと関係があるのは名探偵コナンでした。

もう少し詳しい内容を言いますと、文科省有識者会議で出たと言われる「大学をGlobal型とLocal型に分け、L型大学は実学のみを教える職業訓練教育を行うのはどうか」という意見に対し、法学部卒の著者が「じゃあ具体的な事柄の考察だけしてやんよ」とうことで、掲題のようなシチュエーションの場合、どのような法解釈が可能か、という考察記事になっています。

国内の大学が万一G型とL型に分類されることがあっても、著者の属していた東大がL型にされることはないだろう、というツッコミは置いておくにしても、「L型大学では役立ちそうな資格とか取得させればいいじゃん」という有識者? の発言が浅はかであり、普通に法律の勉強をした方がよっぽど実社会で役立つだろ、という意見には私も全面的に同意です(ほんとハルヒ関係ないな)。

名探偵コナン (Volume37) (少年サンデーコミックス)
 

 

  • 『世界があたしを中心に回るようにせよ』『地球の自転を逆回転にしてほしい』を叶える簡単な方法。」 (藤崎 さん)

笹の葉ラプソディ」でのハルヒの願い事は実現可能か? という物理学的考察です。ニュートンライプニッツ、マッハ、アインシュタインフーコーなど、学識のある方にはお馴染みの面々による学説を用いた考察となっていますが、高校時代に物理で5点をとったことのある私には読むのが非常に辛かったです…

宇宙に絶対軸は存在しないため、観測点によって何が何を中心に回っているかは変わるし、ある点からみた場合、ハルヒを中心に世界が回り、かつ地球の自転とは反対方向に地球が回っているというケースも存在する、ということのようです(間違っているかもしれません)。

難しくてよくわからなかったのですが、「アニメ1期エンディングでくるっとまわって決めポーズをするハルヒは、見方を変えればハルヒを中心に世界が回っていると見ることも可能だし、あらゆる存在が中心として位置づけることが可能である宇宙において、誰もが「私はここにいる」という主体でありうる」という解釈はステキで示唆に富んでいると思いました。誰もがハルヒのように主観的・主体的に生きていけるといいですね(ハルヒシリーズは、そういう見解を読者に提示している作品である、と私は思います)

涼宮ハルヒの憂鬱4 笹の葉ラプソディ (第1巻) 限定版 [DVD]
 

笹の葉ラプソディ収録の限定版DVDは時折クソ安くなるので、限定版特典のフィルムブックマーク狙いで買うのも一興です。なお、当時私が買ったものにはコースターしか入っていませんでした…

 

掲題のとある数式を、高校数学だけで証明するという考察です。ハルヒとは関係ない上に、高校時代に毎日数学の時間に立たされていた私としては、ほぼ理解不能な数式の連続でした。そのため感想らしい感想も書けません…スミマセン。

世の中の不思議の探し方として、こういう形もありなのかなあ、と思いました(KONAMI感)。

初等代数学 (新数学入門シリーズ)

初等代数学 (新数学入門シリーズ)

 

 

これまたハルヒとは関係のない、掲題に関する憲法学的考察です。個人的には、56ページの

いま、なぜ安保法案が必要なのか、つまり自民党が言う「我が国を取り巻く安全保障環境の変化」とは一体何なのか、その変化は自衛隊にそこまでの実力を認めなければならないほどのものなのか、現在の自衛力や警察力で対応できないものなのか、ということについて全く議論が深まっていないし、国民が理解をしていないと思われる。この必要性がなければ、そもそも憲法違反かどうかという許容性の議論には入らないのである。

という一節に非常に共感しました。

まあ、仮想敵国やその詳細を名指しで言えない事情があるのでしょうが、この際だからぶっちゃけてしまってもいいように思います。「こういう事情で戦力が必要です」と明示した上で、それに国民が納得するのであれば、正々堂々と憲法改正すればいいのだし。

また、57ページの

挙句の果てには、総額約2520億円にも膨れ上がった新国立競技場の計画見直しで国民の目をごまかそうとする始末である。

という指摘には目から鱗でした。

 

  • SOS団東大支部についての覚え書き (はると さん)

編集後記にあたる、はるとさんによるエッセイです。SOS団の本質である「世界を大いに盛り上げること」「不思議を探すこと」と、記述し共有することの意義・価値について述べられております。

文中では述べられていなかったですが、個人的には、団長のSOS団発足声明「宇宙人や未来人や超能力者(=この世の不思議)を探し出して、一緒に(=共有して)遊ぶことよ!」の中にも、はるとさんの仰る意義が含まれているように思いました。

ということは、「遊ぶ」という要素もSOS団には外せないと思うのですが、東大支部の皆さんは言外にこれをクリアしているということは、本書を読んでよくわかりました。

 

また、東大支部では新団員や小論文などを随時募集されており、外部の方でも問題なしということですので、興味のある方・珍情報をお持ちの方は上記ツイッターやHPにてアクセスしてみてください。私も何か書こうかな!?

 

  • 全体の感想。

上記文中でも書きましたが、本ドキュメントは必ずしも作品としての涼宮ハルヒシリーズに関することばかりを取り上げたものではありません。ハルヒとは直接的には無関係の記事も多いです。そういう意味では、ハルヒの同人誌としてはややとっつきにくい面があるとは思います。

ですが、読んでみて感じたのは、涼宮ハルヒという人物の「不思議に憧れ、心理を探究し、楽しむ」というスタイルは、思いのほか研究やアカデミズムの志向と相性がいいのかも、ということでした。

そう考えると、東大支部のみなさんはハルヒの人格や哲学を作品内のものに納めてしまわず、実世界で実践することによって、作品を体感的として楽しんでいるんだろうな、と思います。そういう風に人を動かせるハルヒはやっぱり偉大だし、そうやって作品に影響を受けて、結果実際に世界を大いに盛り上げることのできるファンも、素晴らしいものだな、と感じた次第です。

 

というわけで、ある意味ホンモノのSOS団の活動報告になっていますので、ハルヒファンの方は遠慮せずに手に取ってみることをオススメします!

 

 

以下余談

コミケ長門の上履きTシャツもあったんかあアアァァァァァァ!!

欲しかったアアアアアァァァァァァ!!!!

 

 

他のレビューはこちら。

haruhimemo.hatenablog.jp

haruhimemo.hatenablog.jp