※201507281540 itunesでの試聴に対応しました。
ハルヒのテレビシリーズでは毎回恒例のキャラソンCDシリーズ。「長門有希ちゃんの消失」でも"In Love"というテーマで、各CDにキャラソン2曲+テーマ曲「フレ降レミライ」の各キャラ版の計3曲収録でリリースされました。この構成もハルヒの1期のキャラソンシリーズに似てますね。作詞家も京アニ版ハルヒと同じく、安定の畑亜貴さんです。
先日2015年7月22日に、3ヶ月連続リリース予定だったシリーズが無事出そろったので、今日は曲を聴きながら感想などレビューしたいと思います。
キャラソンCD買おうかな? とお悩みの方の参考になれば幸いです。
□恋する長門
まずは主人公の長門から。パッケージではあまりキョンっぽくないキョンを手に乗せています。
どうでもいけど、ハルヒシリーズでキョン以外が主人公なのって冷静に考えるとすごく珍しいな(※ハルヒシリーズの主人公は、ハルヒではなくキョン)。
- 1. 窓辺の予感
長門で「窓辺」といえば、同じくキャラソンの「雪、無音、窓辺にて。」が思い出されるわけだけど、こちらはクール&不思議な本家の長門ではなく、長門有希ちゃんらしい恋する乙女ソングです。
曲は今回のシリーズの中では一番今っぽい? 感じでかっこよく、聞きやすかったです。かっこいい、というのはラジオ支部で朝倉役の桑谷さんも言っていましたね。
声は長門よりは茅原さんの地声っぽいけど、声質的に茅原さん≒長門有希ちゃんなので、有希ちゃんのキャラソンの声としては全然違和感ないと思います。
一番のサビ、
私の物語は大きく変わりそうな
予感にふるえながら 一人 窓辺に立ってた
の辺りのウキウキさ加減は、「雪、無音、窓辺にて。」の二番のサビの
存在が変わるほどの 夢を持ってみたくなる
感情へと共感へと 繋がれば窓辺に立ち
静けさに抱かれながら また今日も待っている
というアンニュイな感じの対になっていて、同じ場所に立ちながら、二人の長門の立ち位置が全然違うことが読み取れて面白いです。
他にも 出だしの
…夢見ていいの?
や、二番サビの
違う世界にあなたがいたら
私たちはどんな関係?
の辺りの歌詞や、途中で挟まるセリフなども、本家のストーリーが想起されて面白い作りになっています。
というわけで、全体的に恋する長門のウキウキ感が瑞々しく、素敵な1曲になっています。いきなり今回のシリーズの中でもトップクラスに気に入る曲でした。
- 2. 探していた風景
2曲目は「窓辺の予感」に比べて少々おっとりした曲です。
文芸部を復興させ、自分の居場所を自分で築いた有希ちゃんの心情を主題とした歌詞なので、曲調に比してあまりラブソングっぽくはないかもしれません。
そういえば、自分の居場所を自分で築いた、といえば、SOS団を作った本家のハルヒと同じですね。ハルヒがキョンの影響でSOS団を作ったのに対し、有希ちゃんが文芸部を復興させたのはハルヒの影響、というのは、本家へのオマージュなんでしょうかね。
- 3. フレ降レミライ(長門有希ver)
TVアニメのOPテーマの長門独唱版。
こちらの曲も茅原さんの地の声がそもそも長門有希ちゃんの声にかなり似ているので、キャラソンとしてあまり無理していない感じです。
一方、本家の長門からすれば「誰これ?」って感じだと思います。が、それは長門版「ハレ晴レユカイ」の時もそうだったので、往年のファンなら通過してきた道のはずなので問題ないかと思います。
この曲の特徴なのですが、各サビの
今の夢はまだ秘密!
の「ひ・み・つぅー!」の「つぅー!」のところが、どの声優さんも超キュートなので、この部分に気を付けて聞いてください。
長門版ももちろんチャーミングすぎるのでした(機動戦士ガンダム 逆襲のシャア)。
というわけで、第一弾の長門有希でした。
個人的には、1曲目の「窓辺の予感」がいい曲だったのでかなりオススメです。
□ノリノリの朝倉さん
本家では長門とのバトル(物理)に敗れ速攻退場し、消失まで出番がなかったのであまりメインキャラとは言えない朝倉ですが、本作では「ドラえもん」で言えばドラえもんに相当するレベルの主要人物として位置づけられています(※ドラえもんの主人公はドラえもんではなくのび太)。そのためキャラソンナンバーも堂々の2番。本家では2番は長門だったので、何か縁を感じますね。
- 1. しあわせは日常のなかで
原作の「涼宮ハルヒの憂鬱」はガチSFですが、「長門有希ちゃんの消失」は日常系ラブコメなので、それを体現するかのようにタイトルに「日常」と入っています。
歌詞は長門の恋を応援する朝倉をイメージしたもの。
本家のサバイバルナイフが似合う朝倉に慣れ親しんだ方には違和感ありそうですが、実は本家の朝倉も本性を現す前まではハルヒを見守る存在で過干渉というかおせっかいっぽい感じだったし、キョンに「恋煩いかしら?」とか言ってたしで、アニメで言うところの「涼宮ハルヒの憂鬱III」までの朝倉のキャラソン(朝倉→ハルヒ)としても成立している気はします。そうやって聞いてみるといろいろ興味深いです。
また、本家とのリンクという面で考えると、出だしの歌詞
隠してるつもりね
ねえそんなの無駄ですよわかってるの 誰が好きなのか
は、長門とのバトルの最中の呪文の中で逆再生で言っていたセリフとリンクしているようで、ちょっと薄ら寒いですね。
2. LOVE EDITION
2曲目は、本家の朝倉のキャラソン「COOL EDITION」を思わせるタイトルの1曲です。ちなみに「COOL EDITION」は隠れた名曲なので、聴いていない方は是非聞くといいです。
で、「LOVE EDITION」はと言いますと、なんか昭和の歌謡曲みたいな曲です。ウインクとか??
これはメイン購買層を想定しているのだろうか…だとすれば、想定ターゲットは30代以上になるが…
歌詞としては、長門の恋の応援をしつつも寂寥感を感じてしまう朝倉のアンビバレンツを歌い上げたものになっています。恋する年代の女の子友達にありがちな状況をほろ苦く歌っています。けっして悪い歌ではありません。
が、サビの
Lai Lai Lai La Lai 笑いながらも
Lai Lai Lai La Lai 切なさに囚われて
ライライライってって何なの? チャンピオンなの? それとも勇者ライディーンなの??
勇者ライディーン OP [STEREO] - YouTube
- 3. フレ降レミライ (朝倉涼子ver.)
主題歌の朝倉さんバージョン。
原曲自体がアップテンポな曲ですが、朝倉バージョンはたぶん5人&全員版全部の中でもトップクラスにノリノリに歌い上げてくれています。
先述の「ひ・み・つぅー!」のかわいさもさることながら、時折差し込んでくる細い高音のフレーズや、低いところとの高低差が異様に魅力的です。他のバージョンとは違うレベルで勢いがあり、主人公の風格すら感じます。すごくいいです。買ってよかった!
確かラジオ支部の第5回で桑谷さんは「5人全員で歌う歌だから自分は少々ミスった歌い方しても大丈夫かな、と思って収録した後、オンリーバージョンが出ることを知らされた」「(オンリーバージョン収録に関して)余計なことしやがって…」というようなことをおっしゃっていましたが、いえいえ、すごくいい曲ですよ!
というわけで、朝倉さんのCDの中では、意外にも「フレ降レミライ」が一番のお気に入りになりました。アニメを見てこの曲が気に入ったみなさん、ぜひ朝倉さんバージョンも聞いてみてください。
以上、長門と朝倉の対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースコンビの新曲レビューでした。
本当はこの調子で5枚一気にレビューしようと思っていたのですが、思いのほか長くなりそうなので、3回に分けて書くことにしました。
以下、つづく!
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