「長門有希ちゃんの消失」キャラソンシリーズ"In Love"、長門と朝倉さんに続いて、今回はみくるちゃんと鶴屋さんのキャラソンについてレビューしたいと思います。
「長門有希ちゃんの消失」はもちろん、「涼宮ハルヒの憂鬱」が好きな方にも、CD購入の参考になればと思います。
□頼れる朝比奈先輩
まずはみくるちゃんから。ジャケットでは手のひらに長門を乗せていますが、なぜ長門は慌て顔なのか? なお、キャラデザ的に「涼宮ハルヒの憂鬱」の時よりかなり大人っぽい感じですが、有希ちゃんでは3年生になっているのでそれもむべなるかなです(本家のアニメでは2年生)。
※後述しますが、みくるちゃんだけジャケットが全く同じ盤が2枚あります。正しいのは「品番コードLACM-14385」の方。「品番コードLACM-14353」の方はエラー品です。店頭からは既に撤去されていますが、中古品店など、万一あっても購入しない方がいいです。
※Amazonでは上記のリンクのものが正しい商品です。
- 1. 恋はミらいからクル?
1曲目はややアップテンポの曲。みくるちゃんらしいふわふわした感じのかわいい曲です。
歌詞は、恋に恋する女の子の恋への憧れ、という感じになっています。これはストーリー上明確に恋の相手になるキャラがいないから、という事情かと思います。
あと、タイトルに両方「ミクル」という本来の表記とは違うカタカナ表記を入れ込んでいることと、途中で挿入されるセリフ
恋とかはまだ早いかもですけど
いつかは大人になれるのかな?
のあたりからして、本家アニメの放送第1話OP曲「恋のミクル伝説」を意識した曲にもなっています。
とはいえ、「恋のミクル伝説」はハルヒに無理矢理歌わされているというコンセプトだったのでぽんこつな感じでしたが、こちらの曲にはそういった事情はないので、本当の意味でみくるちゃんらしい伸び伸びした「恋に恋する歌」になっていると思います。
(余談ですが、不思議なことにitunesでは「恋のミクル伝説」の取り扱いが無いようです。不思議。)
- 2. 太陽とデイジー
2曲目はおだやかなバラード調の歌です。「太陽とデイジー」というモチーフが素敵ですね。
個人的に、出だしの
小さな小さな溜息に 気づいてくれるのね
というフレーズがすごくステキで、一気に気に入る曲になってしまいました。畑亜貴さんいい詞を書くなあ! 小さな溜息に気づいてくれる人、かっこいいなあ。
ところで、この曲の歌詞は「恋はミらいからクル?」のような「恋に恋する」ではなく、上記のように特定の誰かのことを歌い上げている感じのものになっています。
羨ましいな みんなへと元気をあげちゃう
そのちからを少しわけてください
憧れてるの 自分からどんどん攻めてく
そのちからが大好きですわたし
はて、これは誰のことなんだろう??
キョンはこういうタイプじゃないし(女の子に関しては細かいことあんまり気付かない)、古泉君は論外だし(特に本作の古泉君はハルヒの太鼓持ちしすぎ)…
読む限りは積極的・前向きなところがハルヒのようではあるし、みくるちゃんがハルヒのそういうところに憧れるというのは分からないではないけど、本作ではハルヒとみくるちゃんはそんなに絡みがないし…
あ。鶴屋さんか。
これ、みくるちゃん→鶴屋さんのラブソングか! 太陽とデイジーの太陽って、鶴屋さんのことか! なら納得。自己完結しました。
そっかー、鶴屋さんかー…
自分のキャラソンなのに、「太陽とデイジー」って、鶴屋さんを先にもってきちゃう控えめなみくるちゃん、いいと思います。
- 3. フレ降レミライ (朝比奈みくるver.)
3曲目はOPのみくるバージョン。
みくるちゃんの歌って「恋のミクル伝説」のせいか、おどおど歌っている印象が強いんだけど、この曲ではもちろんノリノリで歌ってくれています。そういう意味ではみくるちゃんのナンバーとしては結構珍しいタイプの歌かも。
この歌、2番の
イロイロあったけど
全部忘れて もう一度違う気持ちで
の「全部忘れて」のところや
しっかり見ていたい
なぜだってもっと心が もっと近くなった時
の「なぜだって」のところなど、急に低くなる箇所があって、他の部分との高低差が面白いのですが、「穏やかな女の子」と一面的な描かれ方をされがちなみくるちゃんの場合、描かれていない別の面が垣間見えるような感じで特に魅力的です。
というわけで、みくるちゃんのCDでした。個人的には「太陽とデイジー」がお気に入りです。
本家ではハルヒに遊ばれっぱなしのみくるちゃんですが、「長門有希ちゃんの憂鬱」では(やや鶴屋さんにかわいがられつつも)長門にとっては優しい先輩といった存在で、このCDでもこれまでと違う「頼れる優しい先輩」としてのみくるちゃんの魅力が描かれていると思います。
個人的には、原作小説のみくるにもそういうかっこいいところを感じるのですが、アニメ化された範囲ではあまりそういった面が出てこないためか、世間一般的にはただのいじられ役立たずキャラとして理解されているのが残念です。これはいつか別途論じてみたいと思います。
□前のめりな鶴屋さん
4枚目は鶴屋さん。手のひらの上の長門はなんか驚いています。まあ、鶴屋さんには驚かされるよね。
- 1. 愛の門番EXTRA
みくるちゃんを守る愛の門番なのは「長門有希ちゃんの消失」「涼宮ハルヒの消失」両方での鶴屋さんの役割なので、それをモチーフにしたアップテンポな曲。ドラムがドコドコするタイプのかなり賑やかな曲です。
正直、鶴屋さんのキャラクターは「長門有希ちゃんの消失」ではあまり深く描かれていないので、こういう風に1側面を強調してテーマ曲にするしかないですよね…でもまあ、鶴屋さんのイメージらしい、明るい曲にちゃんとなっています。
あと、みくるとの関係を歌っているという意味では、「花とデイジー」の対になっているとも言えます。みくるちゃんと鶴屋さんは両思いですねえ(まあ、そこしかキャラクターの置き所がない、とも言えるわけですが…)。
- 2. 福が来たりて風が吹く
こちらも同じく明るく元気な曲なのですが、歌詞の内容的には鶴屋さんソロの歌になっています。
鶴屋さん単体ソングだと、「めがっさ好奇心」などこれまでのキャラソンでは先輩として少々主人公たちに距離を置いている感じの歌詞になっていたかと思いますが、この曲ではそういう遠慮をあんまりしていません。鶴屋さん個人として、「明るく元気な女の子」してるというか。
その結果、歌詞のキャラ的にハルヒとまるかぶりに!
まあ、ハルヒは
パッパパヤパヤ おいでよ
とまで抜けた明るさではないので、そこで差別化かなあ…?
一方、鶴屋さん単体でも、明るい主人公ポジションでソロ張れるんじゃね? という、あらぬ可能性も感じました。鶴屋さんも1年生の時はいろいろあったのかな? とか。
- 3. フレ降レミライ (鶴屋さんver.)
最後は鶴屋さんのOPソロバージョン。
なんだか鶴屋さんが慎重に歌ってる感じがして微笑ましい感じの曲です。ノリノリだけどふざけてないというか。全体的に優しげというか、先輩らしいしっかりした感じがします。こういう鶴屋さんもいいですね。
多分に漏れず「ひみつぅー!」のところはかわいいです!
というわけでみくるちゃんと鶴屋さんのCDでした!
次回はオーラス、ハルヒのCDについて書きたいと思います。つづく!
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