2月18日、NHKにて「カウントダウンLIVE アニソン ベスト100!」という番組が放送されました。事前に3か月くらいネット上で行ったアンケート結果を1位から300位まで紹介し、そのうち上位100曲を番組で紹介、うち数曲はオリジナルアーティストまたはカバー歌手がカバーする、という番組でした。
もちろんわがサイトとしてはハルヒ曲を応援したいわけで、下記のような記事を書いたりしながらせっせとハルヒ関連曲に投票したりしていたのでした。
その結果、なんと17位に06年版エンディング曲「ハレ晴レユカイ」、18位に劇中曲「God knows...」が見事ランクインしました!! おめでとうございます!!
ハルヒっっっだぁぁぁぁぁああああああああああああ pic.twitter.com/JncwjdNQbb
— もえ@ぷにっこ (@M140308) 2017年2月18日
なお、同じく劇中曲「Lost my music」が150位、06年版オープニング曲「冒険でしょでしょ?」が274位にランクイン。
ベスト20位以内に2曲、300位以内に4曲という結果でした!
個人的には「恋のミクル伝説」も入ってほしかったなあ、とか、09年版主題歌や劇場版主題歌も、と思わないでもないですが(ぜいたく者)、10年以上前が初出のアニメとしては大健闘だったと思います!
…という控えめな評価に終わろうと思っていたのですが、別の方がまとめてくださった下記のエントリーを読みながら、いやそんな評価じゃ足らないぞ? と思うに至りました。
こちらの表を『涼宮ハルヒの憂鬱』という作品を中心にご覧になっていただければ、分かることがいくつかあります。
①2006年に人気曲が急増している
2005年より前の年では、その年から選出されたベスト300位入りの曲は1曲から5曲程度、一番多い年で1999年の9曲です。
この年は『ONE PIECE』から3曲が選出されていますが『ウィーアー!』以外の2曲は東方神起というアニソン歌手でない方の曲な上に、実際にリリースされたのは2006年、2009年です(『ONE PIECE』が1999年スタートなのでこの年にカウントされています。こういうことが複数あるため、実は人気曲は見た目以上に近い年代に集中しています)。
これが2006年になると急に13曲に急増しています。この13曲という数字は、2012年になるまでの5年間抜かれることのなかった数字です。
これはこの年アニメの放送本数が極大に達している時期だったから、ということや、3曲選出された『銀魂』の曲が全て実は2006年の発表曲じゃないという影響もあるのですが、『涼宮ハルヒの憂鬱』から4曲も選出されているという影響もまた大きいです(しかもこの4曲はきっちり2006年発表)。
あとさり気に、4曲のうち2曲が主題歌ではない、作中1回しか流れていない劇中曲というのもすごいです。
②1作品から4曲以上選出されている作品は少ない
ハルヒ全部で4曲かー…といった所感でしたが、実は4曲も選出されている作品はそんなに多くありません。
4曲タイなのは以下の作品です。
- ラブライブ! School idol project(2期)
- うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレボリューションズ
- ラブライブ!The School Idol Movie
5曲以上選ばれた作品は以下の通りです。
ラブライブがさすがにぶっちぎってますが、実はハルヒは「人気曲がたくさんある作品」としては歴代3位(同率3位作品他3つあり)なんですね。
③ハルヒは歌番組じゃない
書いた通りですが、上述の1作品から4曲以上選出されたアニメは、マクロスF以外は歌そのものが関連商品として主軸となっているアイドルアニメばかりです。
マクロスFはシリーズ作品であることやSFロボットものであるという意味でそれらのアイドルアニメとはやや性格が違いますが、アイドル要素も主軸であること、シリーズ的に歌そのものも関連商品、という点では同じです。
一方ハルヒは別に歌がメインの作品ではありません。全14話中1話だけ、歌がフィーチャーされただけの作品です。
「歌番組じゃないのに人気曲がたくさんある作品」としてはなんと歴代1位(同率なし)ということも(ややこじつけっぽいですが)凄いところだと思います。
④そもそも歌とアニメを強固にひきつけたのがハルヒでは?
ここまでのことを総合したところ、実はアニソンを現代の形で受けいれられるキッカケになったのが、当のハルヒじゃねえの? という仮説です。
その仮説の材料は以下の通りです。
・ハルヒ登場の2006年以降、人気アニソンが増えている。
→これは上述の通り。先述の人気アイドル作品は全てハルヒ以降の作品、つまり大なり小なり影響を与えられた可能性のある作品群です。
・複数の人気曲を内包するアイドルアニメの台頭も2006年以降
→アイドルを主題とした作品は2006年以前にもたくさんありましたが、人気曲を複数輩出する人気ジャンルになったのは2006年のハルヒ以降です。
で、以前のアイドルアニメになかった(もしくは今に比べると弱かった)のは、おおよそ①ダンスによるアイドルステージの見せ場化②人気作中曲(=主題歌以外の人気曲)の存在、の2点です。
これらは両方ともハルヒの当時ハレハレダンスやらGod knows...やらで席巻したポイントですね。
ハルヒ自体はアイドルアニメではありませんが、ハルヒが当時これらのポイントでヒットしたことは、後続作品が結果的にアイドルアニメという形でヒットしていく下地作りになっていたと考えられます。
・生ライブの実施
上述の人気アイドルアニメは例外なく声優による生ライブも実施しており、それ自体も主要な関連コンテンツになっています。また、ライブ実施の結果主題歌以外の人気曲が増え、楽曲が売れるという好スパイラルもあります。
これもライブ&イベント『涼宮ハルヒの激奏』の成功が影響していると見ていいでしょう。
余談ですが、アニメの声優ライブというもの自体は実は古くからあります。1987年の『超獣機神ダンクーガ』の獣戦機隊ライブとかが初期になるのかな?
この作品もアイドルものじゃないのにライブ化したという意味でスゴイですね。
というわけで、別にアイドルアニメはハルヒが作った! というわけではありませんが、アンケート結果をみるにつけ、ハルヒという作品が内包していた要素の一つ一つが後進にいろんな影響を与えていたのかもなあ、ということがうかがい知れるデータでした。
とすれば、大きく言えば、現在のアニソンの受容され方を形作るきっかけになったのもハルヒの影響…と言えるかもしれません。
などなど、色んな事がうかがい知れる面白いアンケート結果でした。なんいせよ、ハルヒスゲエ、ってことですね! この3か月間、一生懸命ハルヒ曲に投票された皆さん、お疲れ様でした!
なお、下記の人気アニメアンケートはまだ実施中なので、ぜひ毎日ハルヒシリーズに3票投票してね!!
(宣伝で終わる)
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