前回上記のような記事にさせていただきました通りですが、日刊スポーツ紙(紙+Web版)にて、中学生誘拐監禁事件? の被疑者がアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』のファンだったと名指しで書きました。
その件で、続報などを以下3点でまとめたいと思います。
1:まず、及ばずながら私が下記のような反論記事を書かせていただき、ガジェット通信さんに掲載していただきました。
趣旨はおおよそ以下の3点です。
『涼宮ハルヒの憂鬱』の主人公は女子高生ではない
『涼宮ハルヒの憂鬱』はSF物語であり、また主人公も男性なので"女子高生アニメ"と称するのはおかしい
そもそも事件との関連が不明瞭
2:次いで「正しいのは日付だけ」とも言われる東スポに、私と同じ立場の反論記事が出ました。
女子中学生監禁男「女子高生アニメに熱中」記事にアニメファン反発
こちらの趣旨はおおよそ以下の通りです。
記事中、アニメ好きであったことと事件を直接結びつける部分はないが、あえてアニメ好きに言及することで因果関係があるよう印象操作されている
短絡的にアニメと犯罪を結びつける報道姿勢からの脱却が求められている。
3:それを受けて日スポ側に何か動きがあったかと言えば、特に何もありません。関係者への謝罪や釈明も、現状ナシです。加えて、未だツイッターアカウントでは #涼宮ハルヒの憂鬱 #haruhi 等のハッシュタグ付きで拡散中です。
女子高生アニメに熱中…寺内容疑者の素顔同級生語る https://t.co/ReN7dvghkW #女子高生アニメ #涼宮ハルヒの憂鬱 #haruhi #女子中学生誘拐 #千葉大
— 日刊スポーツ (@nikkansports) 2016年3月29日
現状はこんなところです。
簡単に言うと、日スポの主張に対して2メディアで反論記事が出てウェブ上に上がっている、という感じです。
特に東スポさんの記事は、参議院議員であり「表現の自由を守る党」の党首でもある山田太郎氏が拡散したこともあって、多くの方が読まれているようです。
女子中学生監禁男「女子高生アニメに熱中」記事にアニメファン反発 東スポweb | https://t.co/vHDKCHR7K4
— 参議院議員山田太郎(全国比例) (@yamadataro43) 2016年3月29日
今回感心したのは「東スポさん、すごい真っ当なこと言うなあ」ということでした。
私もオタクが差別されてきた歴史などについても書くべきだったのかもしれませんが、私自身がオタクなため自分で言うのも自己弁護的になるなあと思い、記事では「なぜ事件と関係がない『涼宮ハルヒの憂鬱』の名前を出したのか」にメッセージを集約しました。
ところが東スポさんの記事では、事ここに至るまでのメディアによるオタクバッシングの歴史などにも触れており、とても読み応えと説得力のある記事になっています。
どちらかというとネタ記事提供元として有名な東スポさんですが、今回の記事は素晴らしかったと思います。
同じ立場で発言している身としても、正直東スポさんに完敗、ガジェット通信さん、力不足でごめんなさい、という感じです。
なお余談ですが、東スポさんの記事の
また「涼宮ハルヒ――」は主人公の男子高校生と女子高生たちが織り成すSF学園ストーリーだが、記事の見出しでは「女子高生アニメ」と若い女性に興味がある人間が見るアニメのように“改変”されたことも疑問視されている。
「改変」の部分にチョンチョンをつけて、ハルヒ関連語である「世界改変」と絡めているあたり、この記事を書いた記者さんは作品としての『涼宮ハルヒの憂鬱』に精通した方だと思われます。
少し前までは、こういう事件があったときは大抵マスコミによってアニメや漫画やゲームが袋叩きにされ、ファンや作り手の側の声は(声が上がっていても共有する場所や機械が少なすぎるため)聞こえない、黙殺されるというのが常でした。
今回は、メディアの側からも作品に精通し、不当と思われるバッシングについては反対意見を記事にして世に問う方が出てきました。
これはアニメに限らず、メディアのあり方として健全な状態だと思います。世の中、悪いことばかりじゃないですね。
事件そのものは今後真相が究明されていくことになると思います。それによって、本当にハルヒやアニメの影響だったということになるかもしれませんし、もしかしたら被疑者は悪くなかったということになるかもしれません(その可能性は低そうですが)。まだ分からないことばかりなので、私は事件そのものについてはまだ静観しようと思っています。
ただ、不当と思われるバッシングについては、事件そのものとはやや別の事柄として抵抗したく思いますので、今後この件で動きがないかは見ていきたいと思います。
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