帰省や急性胃腸炎など、いろいろあったせいでコミケからだいぶ経ってしまいましたが、引き続き夏コミでいただいたハルヒ本のレビューをしていきたいと思います。
今回はサークル:クソライダーさんによる合同誌「ハルキョロ ハルヒがラブホでキョロキョロしてしまう合同」について感想など書いていきたいと思います。
「ハルヒがラブホでキョロキョロしてしまう」というなんともニッチなテーマの、8名による合同誌です。これだけテーマが絞られてると同じような話になってしまいそうな気もするのですが、そこはそれ、五七五+季語というレギュレーションで歌を詠んだ40キロバイトでスーパーマリオブラザーズを作ったりするように、制限された中でこそ本領を発揮する日本人の豊かな感性が発揮されるのか、バラエティに富んだ作品集になっています。「ハルヒがラブホでキョロキョロしてしまう」というコンセプトに惹かれる類の人であれば、お気に入りの一作が見つかることは請け合いです。
なお、ハルヒがラブホでキョロキョロしてしまう本ではあるのですが、ギリな表現もありつつ全作品ダイレクトな表現はほぼないので、健全な全年齢本です。18歳未満のみんなも安心して以下お読みください。
なお、まだこちらで委託販売されており、入手可能です。何度か売り切れているようなので、気になる方はとにかくお早目に!(リンク先でいくつかサンプル画像も見られます) ↓
http://shop.comiczin.jp/products/detail.php?product_id=25729
古来から伝わる鉄板ジャンル「ハルヒがラブホでキョロキョロする」という一点のみを突き詰めた合同誌、60P
鉄板ジャンル…かなあ…
巻頭は本企画の発起人のT-10さんによる漫画「ホ」です。基本ギャグですが、終盤ハルヒの人間的成長が描かれており、少し感傷的になったりもするのですが、まあギャグです。ハルヒが主人公なため原作では見られないハルヒの独白が中心です。とにかくハルヒがかわいいので俺によしです。
なお、オチはあんまりな気がしましたが、どうやらT-10さんの得意芸のようです。詳しくは読んでみてください。
かれこれ100万回くらい見たであろう黄金句をタイトルに据えた2ページ漫画です。ハルヒの顔がやけに京アニ版にそっくりですが、いろいろタイトル通りに思うようにはいきません。
文字や絵が細かく、よくよく見るといろいろおかしいシュールな作品です。そもそも、あの牛はなんなんだろう。MIKURUって書いてあるけど…
ゆるい絵柄の4コマ連作です。本誌では珍しく、古泉くん・みくるちゃん・長門が大活躍します(頭部と手首だけ)。ハルヒとキョンがいい感じになるので、ドキドキしながら読むといいと思います。
個人的なハイライトは、平成狸合戦ぽんぽこで二人の劣情を喚起しようとする長門です。
- 「ブランニュー サマーエンド」 (だいふこう さん) ハルヒ&〇〇
なんとびっくり、ハルヒと〇〇さんがラブホに行っちゃう一遍です。いいのかなあー。なお、本作は「長門有希ちゃんの消失」の二次創作です(ヒント)。全体的に話や設定がしっかりしている印象です(理不尽オチやキャラ崩壊がないという意味で)。
また、オチが秀逸でした。ナイスルッキングなこの二人がこうやって歩いてるの、傍目にはすっごいドキドキでしょうなあ! …あかん、想像したら本当にドキドキもんだ。
なんだろう…ハルヒがあさりよしとおさんのキャラ、キョンが…ワンパンマン似? とにかくちょっと懐かしい絵柄の6ページの漫画です。主人公はハルヒ。
キョンが割と別人ですが、キョンハル大好き人間としてはこの作品が一番にやにやできて満足度が高かったです。でもどちらかというとハルキョンになるのかな? とにかくキョンとハルヒでニヤニヤしたい方向け。
キョンが主人公の、サブカルっぽい絵柄のキョンハル1ページ漫画です。ハルヒもキョンもそれぞれ全く違う意味でキョロキョロしています。このハルヒもかわいいですなあ…
キョンとハルヒが物語シリーズや東京大学物語みたいな文字だらけの舌戦を繰り広げる一篇です。鬼畜展開なので個人的にはちょっと無理でした…ハルヒ泣かしたい方向けかなあ。。
あ、キョンは完全に別人でしたが、ハルヒはかわいかったのはよかったです(こればっか)。
キョンが主人公の4ページ漫画です。最後にドキッとする衝撃オチです。
キョンは割と別人ですがそんなに違和感ありません。キョンもハルヒも別の意味でクッソかわいいのでキョンハル好きにはまたとないでしょう。
- 全体の感想。
「ハルヒがラブホデキョロキョロする」本が出ると聞いて喜び勇んで買ってみたのですが、果たして私の期待は裏切られることなく昇華されました。
特に、別にキョンハルとかハルキョンとか書いていないのに、示し合せたようにどの作品もちゃんとハルヒとキョンの二人がラブホに行っていて安心しました(だいふこうさんの作品は例外ですがこれはこれでよし)。そこいらのエロ同人のように、ハルヒが見知らぬおっさんやオラついた兄ちゃんとラブホに入ってしまったらどうしよう…などとあらぬ心配? をしていたのですが、著者の皆さんはそこらへんわかってる方ばかりだったようです。
全体的に絵が個性的だったりシュールすぎる内容だったりしますが、ハルヒという作品を愛する人であれば楽しめるであろうコンセプチュアルな一冊です。気になる方は手に入るうちに入手しておくことをオススメいたします。
「ハルヒがラブホデキョロキョロする」という完成されたコンセプトで合同誌を立ち上げようと思ったT-10さんには感謝の念を禁じえません。もし機会があったら、お礼を述べると共に、どうやってこのコンセプトを思いついたのかを伺ってみたいです!
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